SKYCLAD 来日インタビュー!

去る2020年2/29,3/1に行われた”KORPIKLAANI JAPAN TOUR 2020″でのサポートで英国フォーク・メタルの伝説的バンド、SKYCLADの待望の初来日公演が実現!!(3/2公演はSKILTRONとの2マン)
ここに公演の際に行われたメンバー全員による貴重なインタビューをお届けいたします!

SKYCLAD メンバー:
Steve Ramsey スティーヴ・ラムゼイ Guitar & Vocals
Kevin Rodley ケヴィン・リドリー Vocals & Guitar
Georgina Biddle ジョージナ・ビドル Fiddles, Keys & Vocals
Graeme English グレアム・イングリッシュ Bass Guitar
Dave Pugh デイヴ・ピュー Guitar, Mandolin & Vocals
Arron Walton アーロン・ウォルトン Drums, Percussion & Vocals


ーSkycladにとって初の来日公演ですね。滞在してみて感じた日本の印象をそれぞれ聞かせてください。

Dave:アメイジングだよ。感じのいい人達ばかりで、礼儀正しくてね。全てが機能的に整理されてるよね。飛行機を下りた瞬間から全て(スケジュールや、やることの)流れもできててさ。バンドにとってもありがたいよ。場所によってはそういうのが全然上手くいかない所もあるからね(笑)ゴチャゴチャして汚かったり。そういう所と比べても楽しいしナイスだよ。

Kevin:そうだね。あと雨だね。イングランドを思い出すよ。俺はもうイングランドには住んでないんだけど、寒くてイングランドみたいだ。俺にとってはね(笑)
観客がみんなマスクをつけているっていうのがなんだかシュールだね。俺達も妙な時に来てしまったわけなんだけど。でもお客さんは皆素晴らしいよ。
俺としては自分が東洋にいるっていうことがファンタスティックだよ。お寺を探検したり、歴史のある場所に行ったりね。観客は音楽に真剣に向き合ってくれてる感じだし。ここにいられてハッピーだよ。

Steve:うん。人が一番大事だね。俺達がやってることが通じなかったら気まずいけど、皆俺達のやることでハッピーになってくれてる感じだ。

Graeme:初めて来たのは4、5年前で、俺にとっては2度目だけどね。



ースティーヴ(g)とグレアム(b)は過去にSatanで来日していますが、前回来た時と何か変化はありますか?

Steve:そうだな、ちょっとウイルスがそのへんにいるってだけだね。他はあまり違いはないな。前回は大阪に行ったんだけど、今回はもうちょっと他の場所も見れた。

Graeme:京都とかね。

Georgina:綺麗な場所に行けたわ。新幹線で田舎の景色や山々が眺められたのがすごく良かったの。人はフレンドリーだし。私は日本語はできないから人が何を言ってるのかわからないんだけど。次に来る時にはもうちょっとなんとかしたいわね。(笑)

Arron:一生かかるかもしれないけどね(笑)



ー日本のことを曲に書けるような印象的な出来事はありましたか?

Kevin:そうだね。あったと思うよ。(笑)Well Traveled Manっていう曲があるんだけど、その曲の詞に日本の茶室を当てはめてもいいと思う。(笑)

ー茶室には行かれましたか?

Kevin:いや。行ってないんだ。(笑)お茶(紅茶)は飲んでるんだけどねぇ。富士山が見れたらいいなと思ってたんだけど、あいにく曇っていて見られなかったよ。田舎の方をもっと見れたらもっと曲のインスピレーションも得られたんじゃないかなと思う。そうそう、デイヴが俳句を思いついてたよ。

Dave:いやいや。たいしたもんじゃないよ。

メンバー:(笑)

Kevin:そうそう、俳句はソロのいいアイディアの源になると思うんだよ。うん。



ー今回は、KorpiklaaniとSkiltronと一緒のツアーですが、彼らと一緒にライヴをやってどうでしたか?
Kevin:俺達はどっちのバンドとも過去にライブをやっているんだよ。Korpiklaaniとは10年前に向こうのファンが集まるショーでやってるんだけど、もう10年前っていうのがショックだよ。(笑)Skiltronとも前にUKで一緒にやって。で、ずっと連絡も取り合っているんだ。SNS上とかでね。フォークメタル兄弟って感じだよ。
今回の公演は全てがお膳立てされてて、全てがちゃんと時間どおりに進行してる印象だね。他の場所でもショーは4バンドとかでやるんだけど、(他と日本との)違いはここではショーがすごく早い時間に始まってUKと比べると早い時間に終わることだね。始まるのが夕方6時とかね。



ー日本のファンや、オーディエンスの手応えはどうでしたか?単にアメイジングという他には…

Kevin:(笑)そうだね、最初の大阪公演ではお客さんはかしこまってておとなしかったかな。ライブはお客さんも一緒に歌って参加する部分があるんだけど、言語の壁もあるから難しいかなと思っていたんだ。でも昨夜の東京公演では大合唱になってすごく良かったよ。(笑)

ーでは東京のほうが観客がワーッと盛り上がった感じだったんですか。

Kevin、Dave:イエス。

Kevin:そうだね。明らかにそうだ。会場も大きくて人数も多かったしね。



ー演奏する曲目はどうやって決められたんですか?

Kevin:すごく難しかったよ。

Steve:すごく短いセットだからね。俺達は持ち曲は沢山あるけど、もっと長い時間があったって全員は満足させられるものではないしね。

Kevin:でもSkycladにとってはこのツアーは30周年の記念でもあって。だからそれぞれのアルバムから曲をピックしようとしたんだ。アルバム13枚あるんだけどさ。(笑)全てのアルバムから拾った曲を演奏するにはセットに十分な時間がなくて。でも俺達の過去のイメージがあるから、お客さんがライブで演ることを多分期待しているであろう曲から始めて、リストしていったらもうセット時間一杯になっちゃってさ。でも今夜は2バンドだけだから、他の公演よりは長くできるから楽しみなんだ。

Dave:あいにく誰も来なかったりして(笑)

Kevin:(笑)まぁ本番のお楽しみだね。

ーいや、勿論沢山の観客が今夜も来ますよ(笑)

Kevin:そうだよね。



ーデイヴ(・ピュー)は 2014年に約20年振りにSkycladに復帰したわけですが、何かバンドにとっての変化はありましたか?

Kevin:特にはないね。(笑)彼が戻ってからも別に変化はないよ(笑)

Steve:赤ん坊の子守をしてる気分になってるメンバーはいるよ(笑)

メンバー:(爆笑)

Kevin:2014年って、今から6年前だよね。6年も経った気がしないね。

Dave:6年間は俺が最初にバンドにいた時より長いんだ。アルバム5枚に参加したけど、色んなことがあって。俺がバンドにいたのは5分間だけって気がするのに今は前より長くバンドにいるっていうのがすごく奇妙に感じるよ。

Kevin:年取ると若かった時よりも時間が経つのが速いからさ。あっという間だよ。

Dave:だな。そういう物事は変わったな。髪は長くなった。

Kevin:耳たぶも長くなった。(笑)

Dave:前より色んなことに文句を言うようになった。今日(アクセサリーの)チェーンを壊しちゃってさ。ショックだよ。

メンバー:(爆笑)

ーバンドに戻るまでの20年間では…

Dave:何も変わってないよ。バンドの連中とは長いことずっといい友達だったしさ。バンドって軍隊みたいな仕組みだけど、皆と離ればなれだったわけじゃないから。20年って感じはしないんだ。変な話だよな。



ーSkycladが「フォークメタルのグランドファーザー」と言われていることについて、どのように感じていますか?

Kevin:まぁ祖父みたいなもんだけどね。(笑)先駆者だよね。先駆者で創始者。グランドファーザーって言い方は良くないな。(笑)

ー失礼致しました、ギリシャかフランスのwebサイトのインタビューでそう出ていて…(汗)

Kevin:フォークメタルというと言われることのひとつだよね。俺達が創始者だというのはどこかで誰かが言いだした。自分達で言いだしたわけじゃないんだ。フォークメタルといえばSkycladだってね。最初俺達はエキセントリックだってコメントで言われてたんだよ、イギリスの人々には『エキセントリック』がこのバンドにはまる言葉だったんだ。フォークメタルのジャンルができてからだけど、人から俺達が創始者とか開拓者だって思われるようになったのはいいことだよね。他のバンドと共にこういうジャンルを創り出すのに一役買ったのは良かったと思っているんだ。自分達が有名なのは気分いいしね。

Dave:(爆笑)

Steve:フォロワー達が俺達を創始者(オリジネーター)と呼んでるんだよね。

ーあなた達の後に多くのフォロワーが続いて今や一つのジャンルとなりましたね。

Kevin:そうだね。青写真みたいなものだと思うんだ。

Steve:うん。そこから人が『自分達もやってみようか』となってね。

Kevin:意図したかどうかはともかく、過去に似たようなことをやってた奴らがいなくて、俺達が青写真になって、人がコピーしだしたんだ。
フォーク音楽の楽器をスラッシュメタルに合わせようというのがアイディアだったんだけど、結果として人気を博したよね。例えば日本のフォークメタルバンドやモンゴルのフォークメタルバンド、ロシアのフォークメタルバンドが出てきたりして。



ー皆さんの音楽的なルーツや影響を受けたバンドを教えてください。



Dave:AC/DCや80年代のバンドだね。Judas Priest、Rainbow、初期のIron Maidenは大ファンだよ。リードギターを弾き始めてからはゲイリー・ムーアとか。16歳のときにステージに上がってギターを弾きたい!って思ったんだけど、そんなのはきちんとした仕事じゃないって言われたんだ。でも俺がやりたいことはギターを弾くことだったから、やりたいことをやって観たいバンドを観た。俺はラッキーだよ。ギタリストになれてここにいられて。

Kevin:音楽的なルーツとしては、俺の父がベーシストだったんだ。俺はテレビでTop of the PopsっていうSladeなんかが出てくる番組ばかり見ていたんだけど、見ていて俺がやりたいのはこれだ!って思って。それから学校に上がっても俺はミュージシャンになりたいと思ってた。70年代のグラムロックバンドを聴いてたよ。そこからクラシック・ロックへ行って。プログレ、パンク、ニューウェーブ、出てくるバンドを全部吸収した。あとはフォークロックの曲だね。ギターを弾くほどソングライティングが面白くなってきて。学校のバンドにいたときにヴォーカルをやってね。いつもロックをやっていたわけじゃなくて、ヒット曲を色々歌ってたんだ。だんだんロックに傾倒していったけど。それが俺のやりたいことだった。
Arron:俺は8歳のときに、先生に呼び出されて、なんかのお説教かと思ったら名指しでドラムレッスンをやるぞと言われたんだ。アクシデントだったんだよ。運命と呼ぶ人もいるけど。(笑)でも8歳の俺にとっては学校でドラムを叩くのが楽しくなっていったんだ。で、15歳のときにバンド活動を始めた。ポップスとか人の曲、色んなタイプの音楽を演奏していて。Skycladでプレイしたいと思っていたんだよ。AC/DCやUFO、Led Zeppelinのカバーバンドもやったよ。今はイギリスでPink Floydのトリビュートバンドをやってる。あと聴く方はToolが好きだ。クラシックも好きだね。
Graeme:俺もクラシックギターを習ってたけど、今はもう習ったことはすっかり忘れちゃったよ。学校でレッスンを受けてたんだけどね。で、スティーブとラスに出会ってSatanに加入して。(笑)影響を受けたのは70年代後半とか80年代のロック音楽だと思う。クラシック音楽の影響もちょっとあるけど、学校のレッスンだけだね。プレイし始めたのは16歳、17歳の頃なんだ。4年前かな。(笑)(Daveから『ふざけんな』とツッコミ有)ロックバンドとしては伝統的なバックグラウンドだよ。

Steve:俺が最初に影響を受けたのはSweetとかQueen、Beatles。そういうのを沢山聴いたんだ。15歳になる前くらいからヘヴィメタルを聴くようになって、ステージに上がりたいと思った。ローカルバンドで活動する前は学校でバンドを組んだよ。教科書を勉強しながらさ。楽器を弾けるようになる前にバンドをやりたいと考えだして、ドラマーを探して、ベースになっても良かったけど、ギターはたまたまやることになった。俺はギターを夢見てたわけじゃなくて、バンドの一人としてステージに上がりたかっただけだった。でもステージに上がるには楽器が上手くならなきゃいけないだろ?(笑)
聴いてたバンドはScorpionsにJudas Priest、主にJudas Priestだな。日本でレコーディングされたライブ盤の『Priest in the East』を最初から最後まで一音一音聴きこんでコピーしたよ。あと70年代のバンドに影響を受けているよ。
Georgina:私はすごく恵まれた環境だったのよ。家が音楽一家でね。母が音楽の先生をやっているの。兄はバイオリンを弾いていて。母から何の楽器を演奏したいかと訊かれて、兄がいつもバイオリンを練習しているのを聞いていたから、私もあれがいいって答えたの。もし兄がクラリネット奏者だったらクラリネットをやっていたわ。母は音楽の先生だったから、色んな異なる音楽のコンサートに連れて行ってくれたのね。オーケストラや弦楽器カルテット、訓練されたプロの演奏、あとジャズとか、全部よ。少し成長してからはジミ・ヘンドリクスが大好きになったわ。Deep Purple、Led Zeppelinも聴いてた。で、バイオリンのレッスンをやってる時に、私の先生がバイオリンでジミ・ヘンドリクスを弾いてみてって言ってきたの。ロックをバイオリンで演奏するのが好きになって、フォークミュージックも好きになったわ。そしてSkycladのオーディションを受けないかって誘われたのよ。フィドルプレイヤーを探してるからって。最初は緊張しすぎて無理だと思ったわ。で、私の前任のキャスがバンドに加入して諦めたんだけど、キャスがバンドから脱退したって聞いて勇気を出したの。正直オーディションなんか通らないと思っていたけど、『いや君は合格だ』って言われて。あとは起こったとおりよ。自分はラッキーだったと思うわ。色んなスタイルにさらされてきて、まさしくフォークメタルは私のためにあるようなジャンルだと思っているの。そんなところよ。


ー2017年の『Forward Into The Past』が日本で今年リリースされました。このアルバムについてはどう思っていらっしゃいますか?このアルバムに関して伝えたいことは?コンセプトなどはありますか?

Kevin:コンセプトは特にないんだけど、これは13枚目のアルバムになるんだ。だからナンバー13にヒントを得たアイディアを探した。で、13時間時計というコンセプトを思いついたんだ。実在しないんだけど。(笑)時計を指すと異なるタイプの曲を指すんだ。大概Skycladのアルバムは色んなタイプの曲を混ぜるんだけど、ブルースとかアコースティックとかバラードとかね。ラディカルな曲があったり、その中間くらいのがあったり、途中で休憩が入ったりね。そういうデザインにしたんだ。そしてスティーヴンと一緒に曲を書いて、これはバラードで、これは政治的な歌で、と。(笑)それから俺がそれぞれの歌詞を書いて。それがプランだよ。コンセプトというよりはガイドがある感じなんだ。そしてトラックを作っていった。
良かった点は、俺達はかなり手早くアルバムの段取りを決めたことだね。集まって話して、アルバムを作ろうか、オーケー、次にはもうスタジオにいる、という具合さ。(笑)

ー曲を書いたのもかなり短い期間で?

Kevin:すごく短い間だよ。ライブ演奏しながらだったしね。(笑)文字通りね。俺はUKから遠い所に引っ越したんだけど、またUKに戻って、UKに戻る度に歌詞を持って帰ってさ。また家に戻って、またすぐに行ったり来たりだよ。デイヴはランカスターから、ギターのパートを作って来るんだ。すごく組織的に機能してぱぱっと行ったよ。いいことだよね。曲も新鮮な状態で。その前のアルバムが逆だったんだよ。納得いくまでリハーサルをやってプロデュースもして。このアルバムはどっちかといえば実験的だね。

Steve:スタジオで創った感じだった。

Kevin:色んな事が素早くまとまったんだよね。

Dave:結構緊迫感もあったけど、それはいい意味でね。物事が勢いよくポンポン進んで、別のアイディアもやってみたらどうだっていうのが出てこなかった。普通はしばらくかかるんだよ。決めなきゃいけない事が沢山あって、どの道を通るかとか。ドラムはそこにいて、スティーヴとスタジオで音を合わせなくてもいいし、ライブ感があってまとまっててさ。プランどおりに構築されていった感じなんだ。シンセサイザーはここからここまでという具合で。

Kevin:手際良くいったね。思い返せばコンセプト的なものが上手く作用したんだよね。あとはアートワークとフィットさせるという問題が出てくるんだけど、90年代から俺達のカヴァーアートを描いてるダンカン・ストーアに連絡して、イメージを伝えて、これまた早く仕上がって来て。俺達には90年代っぽい雰囲気に戻りたいという願望があったんだ。昔よく使ってた機材をレコーディングにまた使ったりとか、アートワークなんかもね。全てが揃って、結果的にまとまっていい感じになった。たまたまなんだけどね。(笑)人とか色んな要素が上手く行くときも行かないときもあるけど、今回は上手く行ったよ。

Graeme:質問の答えになってるかな?

Kevin:なってると思うよ。(笑)



ー新作のアイディアはすでにあるとのことですが、ニュー・アルバムのリリースはいつ頃になりそうですか?新曲はもう書いていらっしゃるんですか?

Kevin:リリースがいつ頃になるのかはまだわからないよ。希望的観測で言えばそんなに長くかからないうちにリリースできるとは思うけどね。前々作が出たのは2009年で前作は2017年と大きく間が空いてたから、次のアルバムは長く空けすぎないうちに発表したいんだ。もう3年経ってしまったけど。
Skycladのアルバムはそれぞれ違う内容のアルバムになっているんだよ。同じことを2度やりたくないからね。アイディアとしては、次が最後にならないようにってことかな。(笑)

ーForward into the Pastとは違う内容になるということですか。
Kevin:(笑)俺はステージ以外にあまり緊張感を持ち込みたくないんだけど、アルバムで一番気を遣わないといけないことはアルバムの長さだと思ってるんだ。またForward into the Pastのコンセプトの話になるけど、真ん中に休憩が入ってその前はサイド1でその後はサイド2っていう作りにしたかった。アルバムは大体40分くらいなんだけど、サイドAサイドBを作ることである種の心理が働くものだと思う。それ以上長いと人の緊張感が続かないからさ。(笑)みんな以前はよく沢山の曲をアルバムに詰め込もうとしてたけど…1時間で20曲とかね。最後まで聴けないよ。(笑)バンドはアルバムがどれだけ長いかじゃないんだ。俺のところにも最後にボーナストラックをつけられるぞ、とよく持ちかけられるけど、俺は断って来た。だからニューアルバムも頭にあるのはサイド1、サイド2があって40分くらいってことだね。願わくばスタンダードな3分の曲よりは聴きこむ余地のある曲にしたいと思ってるよ。そして曲の背景は、たとえば政治的なものとかね。
ーブレクジットとかですか…

Steve:ブレクジット?何それ?(笑)

Graeme:COVIDだよ(笑)

Kevin:Forward into the Pastの時はちょうど色々なことが世界的に起こっていたんだよ。政治的にも環境的にも。だからこの曲は政治色を入れてこの曲は環境について、という風にテーマを決めたんだけど、今度のアルバムは違う内容にすると思うよ。もっとSex、Drug、Rock ‘n’ Rollな内容とかね。(笑)


ーSkycladは1990年結成で、2020年はバンドの30周年の節目の年ですね。2020年はあなた達にとってどんな年になりそうですか?どんなことを期待していますか?

Dave:もう始まってるけどね。このツアーは30周年記念の大きなプロセスのうちのひとつだから。スティーヴ?

Steve:そうだなぁ…もっと健康になるってことかな。(笑)

メンバー:(爆笑)

Steve:何が起こるか予測できないよね。大昔は日本にくるチャンスがあるなんて考えられなかった。何があるかはわからないんだ。未来にはもっと色んなことをやれるチャンスがあるかもしれない。だからずっと続けていくってことかな。

Kevin:この後はルーマニアに行くけどね。このアルバムのツアーがまだ続いているからしばらくは同じような日々が続きそうだよ。業界内でのコンサートもやったりして。
日本に来ることに関しては、お客さんは俺達の音をライブで聴いたことがない人達だから、皆が聴きたがってそうな曲をピックアップしないといけなかったけど。
あとの残りはフェスティバル出演だよ。色んな所でね。ルーマニア、UK、ドイツで夏のフェスティバルに出るんだ。新アルバムの話も出たから、これもお祝いの年に組み込まないといけないね。あとは俺達のドキュメンタリーを企画してるんだ。俺達はDVDをまだ出してないからね。この前のアルバムでは3本のオフィシャルビデオを作ったけど、ライブの映像やドキュメンタリーなんかをまとめた物はまだないから、何年か分の映像を入れたDVDにしたらいいと思うんだ。記念にちょうどいいよね。



ーCOVIDの話が出ましたが、コロナウイルスは英国でも騒がれているんですか?(注:2020年3月初頭)

Kevin:そうだよ。

Dave:みんなパニックになってるだけだと思う。アレをやるな、これをやるなと言われて。

Steve:インフルエンザの一種だと思ってあまり心配しない人もいる。
人類は災害が好きなんじゃないかと思うんだ。「おおーっ」って驚いたりしてさ。

ー日本のファンはあなた達が来てくれてラッキーだと思います。多くのアーティストが公演をキャンセルしたりしているので。

Dave:スティーヴが言った通り、健康第一だよ。(笑)

Steve:情報が交錯してるよね。



ー日本のファンにお一人ずつメッセージをお願いします。

Dave:ショーを楽しんでくれて、俺達のやってることを好きでいてくれてありがとう。子供の頃から今の年齢まで楽器を演奏してきたけど、俺は恵まれてると思うよ。気に入ってもらえて光栄な気分だよ。本当にありがとう。うん。

Kevin:俺からもありがとう。皆に会えてとても嬉しいよ。これは俺にとってやりたかったことリストのうちのひとつなんだ。日本にはずっと長い間来てみたかったんだよ。俺はよく旅をする男だから、あとは誰かいい茶室に案内してくれるといいな。(笑)

Graeme:いつも笑顔で礼儀正しくしていてくれてありがとう。(笑)皆は俺が出会った中で一番礼儀正しい人達だよ。また戻って来れるように金を貯めておくよ。(笑)

Arron:君達は世界で最高のトイレを持ってるよ。(笑)

Steve:うん。アメイジング・トイレットだよ!(笑)Daveは便座があったかいトイレに恋しちゃってるよ。(爆笑)それは置いておいて、みんな好意的に受け入れてくれてありがとう。

Georgina:そうね、何事も決してあきらめないで。角を曲がったら何が待っているかはわからないわ。私も日本に来るなんて100万年経っても絶対にないと思っていたのよ。正直実現しないと思っていたの。コロナウイルスの問題もあるし、入国させてもらえないんじゃないかってね。いまにも夢から覚めるんじゃないかと思うのよ。ここにいることが非現実的で。本当に感謝しているわ。みんな礼儀正しくて。ハッピーでいてね。ありがとう。



ーありがとうございました!

通訳:椎名 令
撮影:towy
インタビュー:karin
取材協力:Trattoria Belmare in Shibuya