去る2020年1月24日より3日間、TWILIGHT FORCE 来日公演 “Japan Tour 2020″のサポートとして待望の初来日公演が実現した、ドイツのスーパーヒーローメタル・バンド、GRAILKNIGHTS のメンバー全員よるインタビューをお届けします!
――日本へようこそ!お会いできて嬉しく思います。
――2018年リリースのアルバム『Knightfall』でのインタビューで「ヨーロッパのバンドが日本でツアーをするのは騎士の称号を得るようなものだ」と語られていますが、皆さんはその称号を獲得されたわけですね。
サー・オプティマス・プライム(以降 緑):
「Knighted」だね。その通りだよ!王に剣を肩に片方ずつ当てられて、「汝らに日本でプレイすることを許してつかわす」と言われた感じだよ。まさしくついに俺達は騎士の称号を得たんだよ!ドイツのバンドにとって日本でプレイするのは大きなこと、大きな夢だよ。日本はメタルの国だからね。メタルファンが沢山いる。ドイツのバンドはもちろん、世界中のメタルバンドが日本でプレイするだろう?だから全てのメタルバンドにとっては夢が叶うことなんだよ。日本でプレイできる可能性があるっていうことがね。
カウント・クレイニウム(以降 赤):
夢が叶ったよ。(笑)俺達はずっと日本に来てこういうショーをやりたかったんだ。お客さんは鬼のようにクレイジーに盛り上がってくれて。で、バトルクワイアーは・・・
(Dr.スカル通過)
一同:(ため息)今かよ?!
緑:まぁ彼が何をするか見てみようか。
(Dr.スカル、持って来たキャリーケースを開けるとテーブル上にあった聖杯をつかんで収納。)
緑:あーあ。
ダンカン・マクラウド(以降 青):(両手を上げて)うおー。
緑:意地悪いよなぁ。まただよ。
青:いつもこの調子だよ。
(Dr.スカル、キャリーケースを持って去るが、ガランガランと音がして聖杯を落とした模様)
一同:あーあ。(ため息)
緑:いやいやいや、彼(赤)が言った通り、すごく楽しかったよ。
青:お客さんは素晴らしかったし、全部最高だった。
――大阪と東京で何か違いはありましたか?
緑:もちろんクラブ(会場)は違っていたし、フィーリングは違っていたよ。でも大阪ではお客さん達は笑顔だったし、昨日も笑顔だったし、でも昨日は激しかったよ。会場も満員で込み合っていたし、お客さんが俺達にとても近かったんだ。だから昨日も込んでたけど、一昨日もそうだったよ。
赤:最初の(大阪)公演では、俺達、超、超緊張してたんだ。日本に着いたばかりで、ステージにバトルフィールドをセットアップしないといけなかったし。
ソヴラン・ストーム(以降 紫):二日酔いもね。(笑)
赤:そう、二日酔いもあってね。(笑)
――時差ボケも、でしょうか。
青:時差ボケ、時差ボケ。そうだ。
紫:(笑)
赤:だから、昨日の東京のショーはもっと自信を持ってやれたし、色んなことを感じるチャンスがあって、よりしっかりお客さんを見ることができたんだよ。
青:いちばん初めのショーは何が起こるかわからないしね。でも最初のショーをやったらクッソ最高だった。で、2番目のショーはさらにショーに入り込むことができたんだ。よりリラックスできてね。
赤:俺達、地獄のように緊張してたからさ。着く前は。ガクブルだったんだ。(笑)
――それぞれのメンバーの出会いについてお訊きしてもいいですか?
赤:久遠の昔に・・・
(一同爆笑)
緑:森でね。遠い遠い場所だ。それは月光輝く夜だった。俺は森を抜けて歩いていたんだ。この恰好でね。そしたら彼(赤)に出会ったんだ。彼もこの通りの恰好で。だから、バンドを一緒にやろうと声をかけたんだ。そしてこのバンドが始まったんだ。彼ら(他のメンバー)も招待して。-実際、俺達は古い友達なんだ。お互いを何年も知ってるんだよ。20年かそれ以上ね。同じ学校に行ったし、・・・
赤:Dr.スカル、携帯切ってくれる?
緑:基本的にそんなとこだよ。古い友達同士で、ほぼ同じ地元で。
青:俺達、みんな同じ町の出身なんだ。
緑:(黄色を指して)彼以外はね。
赤:彼はグレイルハム・シティに2~3年前に引っ越してきたんだ。
ロード・ドラムキュリーズ(以降 黄):馬に乗ってね。
(一同笑)
――公演のセットリストはどのように決めていらっしゃるのですか?
赤:大喧嘩だよ。
(一同笑)
青:いやいや、そこまでじゃないよ。(笑)
赤:全ての曲が大盛り上がりだからさ。
緑:当然だよ。(笑)
赤:それを全部で40分に収めないといけないからね。2~3曲いつもお客さんと一緒になって楽しめる曲があって、俺達はお客さんにとってベストな選曲を決めてるんだ。それが俺達にとってもベストでもあるし。それに、(お客さんがベストに楽しめることが)Dr.スカルを倒す唯一の道なんだ。(ドヤ顔)
青:あと日本でリリースされてるアルバムからの曲だよね。お客さんも他の曲より知ってると思うから。
赤:Pumping Iron Powerとかね、Laser Raptor 3DにKnightfallが日本で出ているよね。ルビコンミュージックからね。
紫:Knightfallアルバムに収録されてね。
――日本で「Moonlit Masquerade」のMVが有名だったことは御存知でしたか?
(一同ショックを受けた表情)
緑:知らなかったんだよ。
青:日本の人達が下着一丁の姿でカバーしているのを見たことはあるんだ。シャツも何も着ないで、「Moonlit Masquerade」をカバーしててね。(笑)
赤:アレはワイルドだったよ。あの動画を見つけたときはさ、日本の人すげえなって。(笑)
緑:またいつか日本に戻って来れるチャンスがあったら、あの曲を演るよ。
一同:(頷きながら)うんうん。
――誰も教えてくれなかったんですか?
緑:うん、誰からも聞かなかったよ。だからただニューアルバムにだけ集中しててさ。
――それは残念!
紫:痛たた!(笑)
赤:次回ね。曲を練習しておく時間があるから。
――では特定の誰かが「あれをやるぞ!」と決めているわけではないんですね。
緑:みんなで話し合ってるよ。で、曲を決めて。でも最終決定は俺がね。いやいや冗談。(笑)
青:どの曲がより良いかっていうのを検討して、その曲をピックアップするようにしてるよ。
緑:そうだね。
赤:(黄を指差して)彼以外はね。
(一同爆笑)
――初期の頃と比較して現在のGrailknightsのサウンドはよりパワーメタル寄りになっていますが、バンドとして何か変化があったのですか?
紫:うん、バンドにはこれまでの歳月で色々変化があったよ。メンバーも変わったしね。パワーメタル寄りになったというのは、計画したわけでなく、ただそうなっちゃったんだ。
赤:違うヒーローが揃って違う音になったんだよ。
緑:俺個人的には、(パワーメタル寄りの)ヴォーカルラインを書くのがより大きなチャレンジになってるんだ。シャウトしながらもいいメロディになっているっていうのがね。シャウトはリズミカルだし、パワーも必要で、俺達は大好きなんだよ。でもメロディの素晴らしいいいヴォーカルラインのほうが挑戦している感じがするんだよ。今の俺達にとってはね。だから曲を書く時にそこに集中してる。
青:(より難しいことに)チャレンジしてるほうが楽しいからね。
赤:俺達は挑戦するのが好きなのさ。
――どんなバンドに影響を受けたか一人一人お聞きしていいですか?
紫:俺からかな。Metallicaから始まったんだ。俺のお気に入りだよ。あとフィンランドのChildren of Bodom、あとCannibal Corpse、そのあたりが大好きだよ。
赤:俺の好みも結構同じ感じで、Metallica、Children of Bodom、彼らのアルバムを何年も聴いてる。基本的にそのへんのバンドを聴いてメタルにハマったんだ。
緑:俺はメインストリームのバンドが好きで、ScorpionsからIron Maidenに行って、Dimmu Borgir、Hammerfall、90年代バンド全部、Gamma Ray、Blind Guardian。俺はBlind Guardianの大ファンなんだ。
青:俺はクラシックメタルが好きで、まずAC/DC・・そんなにメタルじゃないかもしれないけど、子供の頃にAC/DCを聴いてて、成長してからはSabatonを沢山聴いて、Amon Amarthに行って、現在はここにいるんだ。(笑)
緑:Grailknightsを聴いてるよね。
青:いっつも、常に聴いてるね。(笑)あと、Hammerfallもだよ。
黄:俺はプログレ寄りで、新しいバンドだとCaligula’s Horseとか、Porcupine Treeのスティーヴン・ウィルソンとか、メタルだとSoilwork、あと色んな異なったスタイルのものを聴いてるよ。
緑:俺達はメタル以外のものは聴かないんだ。(耳を塞いで)ノー!って。(笑)
青:まぁ、話だからさ。
赤:Lady Gagaも聴くよ。(笑)
――オーディエンスとの掛け合いのGrailknights Battle Choirがバンドの象徴的なコールとして有名ですが、どうやって始まったんですか?
緑:始まりは、あるアルバムをレコーディングしてた時、15年前に、小さいスタジオにファンの集団もいたんだけど、彼らに何か声をかけようってことになって、何か応えてくれるかと言ったら「Yes, Sire!」って言われたんだ。それが「Grailknights Battle Choir!」「Yes, Sire!」の始まりだよ。今は皆が知っていて、ドイツで演奏するとき、観客の中の誰かがショーの前に「Grailknights Battle Choir!」って言いだして、皆手を振り上げて「Yes, Sire!」って言いだすんだよ。ショーの前に合図もあって、会場の外で皆ずっとやってるんだ。
赤:一日中ね。
緑:一日中。(耳を塞いで)
(一同笑)
緑:いや、俺達すごく喜んでるよ。(笑)
青:アメイジングだよね。
紫:大阪や東京でも聞けて、すごくグレイトだよ。初めて「Grailknights Battle Choir!」ってやったのに「Yes, Sire!」ってちゃんと返ってきてさ。上手く行ったんだもんね。
緑:賢い人達だよね。
紫:うん、アメイジングだよ。
青:素晴らしいレスポンスだね。
-皆ネット上の動画で予習してたんだと思います。
赤:すごくいいね。
――終演後に「What a Feeling」が流れますが、何故その曲を選んだのですか?
青:いいコントラストだと思うんだ。俺達の音楽と対照的で。お客さんも気に入ってるよ。ドイツの80000人入ったフェスティバルで、あの曲を流したんだ。で、サウンドテクニシャンが曲を切っちゃったんだけど、そしたら観客がブーイングしだしてさ。曲を戻せ!って。(笑)だからショーのエンディングとしてお客さんも大好きなんだよ。
緑:心の歓喜を反映してるんだよ。聖杯を取り戻してね。
赤:ショーの後に打ち上げパーティーをやるんだけど、その準備の曲としてもってこいなんだ。(笑)
紫:(ボソッと)メタルは置いといて、ダンスは好きなんだ。プライベートで(笑)
――Wacken Open Airへの出演も決まっていますが、2020年にどんなことを期待・予期していますか?
緑:まず雨だよ。Wackenはいつも雨が降るんだ。俺達の去年のショーのとき、雨で洪水みたいになっちゃって。大きいテントがあって、人が乗って立つ木の横棒があるんだけど、皆雨がすごすぎて動けないんだよ。だから雨を予期してる。
赤:皆テントに行くからね。雨で。
緑:Wackenはいつもすごく楽しみにしてるんだよ。最初に出たときは大盛り上がりで、また再びWackenでプレイする機会をもらえて。わくわくしてるよ。世界中の人がWackenを観に来るからね。日本の人達とも会ったし、「あなた達をWackenまで観に来たんです!」って言ってもらえて。アリガトウ。(日本語)
――Wacken以外ではどうですか?
赤:日本にまた来たいね。
青:俺もだよ。むしろ日本に居残りたい。(笑)
赤:来週また来るか?(笑)
(一同爆笑)
緑:実際は、公演の予定が決まってるんだ。大体ドイツだけど。あと夏のフェスティバル、それが終わったら俺達の次のアルバムに集中したいんだ。曲を書いたりね。
――曲作りはもう始めてらっしゃるんですか?
一同:うん、もう始めてるんだ。
緑:希望的観測で言うと、
赤:曲の準備はできてるよ!(笑)
青:たぶん今年の終わりくらいかな。もしくは来年か。
緑:2021年の初頭くらいに出せるといいなと思ってるよ。2021年の春かな。
――次に日本に来られるときはファンは馬と蜘蛛を連れてきてくれることを期待しています。
緑:あとドラゴンだね。ドラゴンのために10席分エクストラシートを予約するよ。(笑)ドラゴン大きいからさ。5mくらいかな。
赤:蜘蛛を見たときのセキュリティの顔が見ものだね。(笑)
緑:今回は短いセットだから彼らは留守番なんだ。
赤:連れて来るのを楽しみにしてるよ。
紫:次回ね。
――日本のファンに一人一人メッセージをお願いします。
紫:俺達を呼んでくれて感謝するよ。アリガトウ。(日本語)日本にいて皆のために演奏するのはすごく楽しいよ。君達はいい意味でクレイジーだ。どうもありがとう。
赤:日本のバトルクワイアーの皆、君達は素晴らしい!サイコー!(日本語)君達がしてくれることに心から感謝しているし、グレイトな公演ばかりだよ!皆といて本当に楽しい時間を過ごしているよ!次もまた会おう!
緑:俺はルビコンミュージックとスタッフの皆、ここにいる皆に感謝を述べたい。そしてEvoken de Valhalla、Yama、俺達皆すごく歓迎された気持ちだし、こまめに面倒を見てくれて感謝するよ。アリガトウ。(日本語)
青:俺はショーに見てくれた全ての日本のファンに感謝するよ。君達はアメイジングだ。皆ていねいに挨拶してくれて、すごくファンタスティックだよ。このまま日本にいたいくらいだけど、悲しいことにできないからね。
赤:俺はそうするよ。(笑)
青:そして君達のトイレは素晴らしいよ。
(一同爆笑)
赤:そうだね。アメイジングだよ。(笑)
黄:君達はグレイトだ。最高だよ。俺達皆また来るよ。次回・・来週。(笑)皆ありがとう。また戻って来るからね。
2020年1月26日 新宿Blazeにて
通訳:椎名 令
撮影:towy
インタビュー:karin
GRAILKNIGHTS 来日インタビュー!
2020/03/03