ALESTORM 来日インタビュー!

去る2019年8月30日より3日間に渡り開催された”Evoken Fest 2019″ に於いて2014年以来、2度目となる来日を果たし,会場を大いに盛り上げたパイレーツ・メタル・バンド、ALESTORMのメンバー5人によるインタビューをお楽しみ下さい!
(8/31(土)渋谷Stream Hallにて)


* 2014年以来5年振りの日本公演ですが、気分はどうですか?
クリストファー・ボウズ(vo&key / 以下クリス): 素敵だね。
エリオット・ヴァーノン(key / 以下エリオット): 最高。前回もすごく楽しかったし、今回もすごく楽しんでいるよ。素敵な場所だよね。
クリス: いいよね。寿司が好き~♪(誰かの声真似をしながら)
メンバー全員:(笑)

* あ、マーテだけは初めての日本でしたね? マーテ・オドール(g / 以下マーテ): そうだね。

*Facebookで写真を見たのですが、京都に行ったんですか? マーテ: うん、とても素敵だった。日本に来て本当に楽しい時間を過ごしているよ。それに、美しい場所だし、色々見られて嬉しいよ。すごく特別だよね。
クリス: 色々、そう、色々見たんだろ?
マーテ: 特別な時間だったよ。

* 昨日(8/30)は”Evoken Fest 2019″の初日でした。かなり盛り上がりましたが、ライヴはいかがでしたか? メンバー全員:(笑)
クリス: 楽しかったよ。最前にね、俺の格好をした男がいてね、それが本当に・・・
エリオット: 動揺した?
クリス: そう、動揺して。心乱されたよ(笑)。
エリオット: アイデンティティーの危機!
クリス: 人生で自分という存在意義の危機に直面したよ。ライブは良かったよ。観客も素晴らしかった。気に入ったよ。今日のライブも楽しみなんだ。(他のメンバーに)もう今日のステージは見た?
ギャレス・マードック(b / 以下ギャレス): あぁ、いい感じだね。
クリス: ステージがより大きくなれば、もっと楽しくなるはずなんだ。だから今日は興奮するね。

* セットリストを選ぶのは大変だったと思いますが、どのように決まりましたか? クリス: 俺たちはただ最も人気のある曲を演奏しているだけだよ。
エリオット: Spotifyにトップ20の人気曲があって、大体はそのリストを演奏しているだけなんだ、そのリストがみんなが好きな曲だから、選ぶのがすごく簡単だしね。
クリス: でも今夜は昨夜とは違うセットリストでライブするよ。
エリオット: 5曲変更しているんだ。
クリス: 昨日のお客さんが結構、今夜も来ているから、違う曲が聞きたいだろうし。今日キャプテン・モルガンの衣装を着ている友人は、もう俺の姿をしていないから、昨日より心を乱されることはないだろうね。
エリオット: 少しはね。
クリス: そう、少しはね。


* しかしながら、みんなが待っている、「Mexico」、「Shipwrecked」、「Drink」といったヒット・ナンバーは外せませんね? クリス: 「Mexico」, 「Drink」, 昨日「Shipwrecked」はやらなかったよね?
エリオット: 今夜は演奏するよ。そして「Alestorm」、「Mexico」、「Hangover」・・・
クリス: 人気の曲は全部やるよ。変わった曲や、嫌いな曲の場合もあるけどね。
エリオット: 俺たちみんなにとってね。
クリス: とんでもないね。結局さ、あのダニー(ダニ・エヴァンス:過去のギタリスト)、の曲なんだっけ?
エリオット: 構わない、次いこうか。
メンバー全員:笑(ダニーの話になり盛り上がる)

* 2017年の『No Grave But The Sea』 をリリースしてからずっとツアーですね。3年ですか?このツアーはどこまで続くのでしょうか? クリス: えーっと、実は俺たちは今、アルバムを制作中なんだ、3?3枚目?6枚目か。
メンバー全員:(笑)
ギャレス: 書き直すのか。
クリス: 3枚目のアルバムを書き直すか(笑)。
アルバムは今、制作中で、1月にはスタジオに入って、収録して、いい感じになる。だから来年は全て新しくなるよ。


* そしてクリスにはGLORYHAMMERもあります。2つのバンドでの活動は本当に大変
だと思いますが、いかがですか?
クリス: あぁ、2つバンドを掛け持つのはクソだから、俺にそっくりな奴を雇っているよ(笑)。

* 今のところの最新作『No Grave But The Sea』を振り返っていかがですか?このアルバムはバンドの最高傑作といっていい充実度でした。そしてマーテが加入した最初のアルバムでもあります。マーテの加入はバンドに何をもたらしたと思いますか クリス:ボボ(マーテの愛称)、ボドール(マーテ)は何をもたらしたんだい?第三者に答えてもらおう(笑)。
マーテ: ボボは最高だった。飛躍的にね。最高だった。
ギャレス: ボボのことが好きだよ(誰かの声真似をしながら)
マーテ: 僕は重いものを持ち上げるのが好きで…
クリス: 何を言おうとしているんだ(笑)。
ギャレス: バンドに加入した時は絶対痩せてたよね。
クリス: 今はかっこよくなってきてる?コントロールできなくなってきてるだろ。
メンバー全員: (笑)
クリス: 心配になって来た。病的で(笑)。
ピーター・アルコーン(dr / 以下ピーター): 病的に悪化してる。
クリス: 病的に肥満。でも、過去のギタリストよりはずっとハンサムだよ。ボボも友達いないしね(笑)。
メンバー全員:笑 (過去のギタリスト、ダニーの話になり盛り上がる。)
クリス: 気をつけて、これ録音されてるからね(笑)。
メンバー全員:笑
クリス: 最高。うん。どんな質問が来ても、答えは「最高」ってね(笑)。

* そしてこれは訊かなければいけないと思いますが、『No Grave But The Sea』のボーナス・ディスクの犬ヴァージョンについてです。アルバムをまるっと犬ヴァージョンで作るという発想がどこからきたのか、理解できませんでしたが、あれはどのような経緯で制作されたのでしょうか? クリス:えーっと、そうだな・・・
メンバー全員:(笑)
クリス:それが面白いんだ。訊いてくれてよかったよ。えーっと、なぜならストーリーがあってね。
ギャレス:おお!ははは、いいね。
クリス:わからないけど、何かしなきゃいけなかったんだ。それで、スタジオにペットの犬を飼っていてね。その犬(オス)が失業中だったんだ。この世に失業中の犬よりもどうしようもないことがあるかい?だから俺たちが雇用してやったんだ(笑)。
ギャレス:彼はもう大丈夫だね。
クリス:彼に仕事を与えて、彼は「ワンッ」って感じ。俺たちはその「ワンッ」を入力したんだ。
俺たちが犬をくすぐってね(笑)。

* (笑)ALESTORMというバンドはユーモアに溢れ、まず自分達が楽しみ、そしてファンも楽しませることを第一に考えながらもメタルバンドとしての格というものも備わっている稀有なバンドだと思います。 クリス: どうぞ(笑顔で)、続けて続けて。
メンバー全員:(笑)

*ご自分ではどう思いますか? エリオット:ファンを楽しませようとしないバンドは、間違ってるよね。
クリス: 友達できないよ。
エリオット: わざわざ惨めになる必要ないんじゃない。

* メンバーはここ数年メンバーチェンジがありませんよね?
クリス: 昨夜、東京の大通りでドラマーをあやうく失いかけたよ。あちらの、ピーター・アルコーンさんね。それで、家を見つけて、結婚して・・・
ギャレス: やっと戻って来たんだよね。戻ってきて再加入して。
クリス: やばかったよね。メンバーチェンジせざるを得ない状況もあり得たよ。

*・・・そこでお訊きしたいのは、皆さんは非常に結束が固い状態だと思います。メンバー、一人一人を紹介して頂けませんか? クリス:じゃあ、それぞれが紹介し合おう。俺は、ベースのギャレス(Gareth)を紹介しようかな。
エリオット: 初めはどうやって知り合ったんだい?
クリス: 初めてギャレスに出会ったのは、俺たちがハンブルクで売春婦をナンパしていたときだな。
ギャレス: 初めて俺がクリスにあったとき、クリスはテーブルの上で寝ていたよ。
クリス: あぁ、そうだね。そんなに楽しくなかったよね。
ギャレス: そんなに楽しくなかったね。俺たち売春婦を・・・
クリス: ハンブルクでナンパしてたんだ。二回目も会って・・・(爆笑)
エリオット:じゃ、次、俺が初めてギャレスにあったとき、これでいこう。
メンバー全員:(爆笑)
クリス:こちらギャレス、ベースプレイヤー
ギャレス:誰を紹介するの?
クリス:エリオット!
ギャレス:誰が一番覚えてる?あんまり覚えてないんだ、千年くらい前のように感じるよ。エリオットとはバスの中で出会って、ドアミラーを蹴ってたんだ。真夜中にね。はい、次。
エリオット: 最初にボボに出会ったとき、ボボはホテルのエレベーターで裸で転がってたんだ。
ギャレス: クリスとね。
クリス: 初めて裸でレスリングしたよね、ホテルのエレベーターで
マーテ:ギャレスがワインをオーダーしてる間ね。
クリス: ほんとにまんこ野郎共だな(笑)。
メンバー全員: (笑)

*・・・どのようにメンバーの衣装は決めているのですか? クリス: 成長。たまたまだよ。わざわざ「新しい衣装が必要だ」なんて考えてはいないよ。
ギャレス: 俺のは真の海賊の様な衣装じゃないけど
クリス: 実際、三百年前に遡れば、本物の海賊はゲイドルフィン(Gay Dolphin) Tシャツを着ていたんだよ。何故なら、海賊は腹が減ったときにイルカの肉を食べたかったからね。このTシャツを着てゲイのイルカを愛してると伝えたら、ゲイのイルカが船にジャンプしてきてセックスさ!
マーテ: 大体がゲイなんだよね。
クリス:そうそう。ゲイのイルカを殺して…
エリオット: 無料の油にもなってね
クリス: キルトは海賊にとって伝統的なんだ、船尾楼甲板を操縦するときにメインブレース(帆船のメインヤードに取り付けるロープ)を交換できるしね。

*今日、ステージにいるあの巨大なアヒルちゃんはどうなるのですか? クリス: 彼は元気になるよ。俺たちと一緒にステージにいるだろう。

*彼を殺してしまうんですか? クリス: いいや。彼は世界中で最後のアヒルなんだ。
エリオット: 彼はこの世で最後のアヒルなんだよ。 本当に、これ以上販売されないから、俺たちは最後の一匹を買ったんだ。
クリス: それが彼なんだよ。

*それは、肝に銘じておかないとだめですね。 エリオット: 最善を尽くしているよ。普段なら、穴が開こうが、観客に投げようが、どうでもいいんだけどね。でもこいつは、テープでカバーしている。
クリス: 彼は美しいよ。

*メンバー間はどんな感じですか?仲がいいようにお見受けしますが、ツアー中にケンカなどはありませんか?
エリオット: 誰かが誰かの携帯を壊してなかったっけ。
ギャレス: クリストファーがピートの携帯を壊したんだよ。
クリス: ピートが悪いんだ、多分ね。
ピーター: 俺たちスウェーデンの駅で喧嘩したんだ、原因は俺がすごく酔っ払ってて、クリスが俺の母さんに電話するように言ってきたんだ。
クリス: それで俺がしたんだよ。俺がピートを嵌めて、教訓を与えてやったんだ。
ギャレス: 改善されたよ。それ以来チンコ野郎にはなってないし。
エリオット: 俺は三週間前、ボボに蜂蜜酒をこぼしたけどね。(ボボが)蜂蜜酒を俺に買ってきたじゃん。
マーテ: あぁ、俺はウイスキーコークを飲んでいたんだけど、二人で蜂蜜酒のショットを頼んでいたんだ。俺はVIPセクションにいて・・・
エリオット:俺は蜂蜜酒を注ごうとして、
マーテ: 俺の飲み物に蜂蜜酒を注ごうとして、俺はよそ見をしていて、ちょっと動こうとして蜂蜜酒がかかったんだ。まじでネバネバだったよ。
エリオット: まぁ、可笑しな話って感じで(笑)。
マーテ: そんなに怒ってないけどね。
ギャレス:なんか話題を引き出されるよね(笑)。 俺たちはいい仲だよ、今まではね。FUCK YOU~♪

*この日本ツアーの後の予定はどうなっていますか? クリス:俺たちはこのまま南アフリカへ行くんだ、そこで海賊ライブをして、チーズとワインパーティをヨハネスブルクでするんだ。そんなところかな(笑)。どうなるだろうね。

* 最後に日本のファンにメッセージを頂けますか?
クリス: 日本のみんなに伝えたいこと・・・お前たちは素晴らしい!
マーテ: そうだ!
クリス: 本当に最高だよ。素晴らしい大勢の若者たち!
メンバー全員:(笑)
クリス: 素晴らしい大勢の若者たち(笑)。俺たちを呼んでくれてありがとう!日本!また戻って来るよ!おまえたちがこの国に住み続けていたらね(笑)。

インタビュー:ルビコン・ミュージック
通訳:太田 千尋
写真:Towy/Karin