VANISHING POINT 来日インタビュー!

初来日となった2014年11月20日の広島から24日の最終東京まで5回の公演を行ったオーストラリアのメロディック/パワー・メタルのVANISHING POINTの来日インタビューお届け!最終日となった東京・吉祥寺CRESCENDOのライヴ前にオリジナル・メンバーの2人(Vo:シルヴィオ・マッサーロとG:クリス・ポーチャンコ)にタップリ語ってもらいました。彼らがこの来日公演をいかに渇望していたかがわかる熱いインタビューになりました!

Pic :Michele Marcolin


*日本ツアーも今日で最終日です。これまでのショウはいかがでしたか? シルヴィオ Silvio(以下S):良かったよね。
クリス Chris(以下C):素晴らしかったよ。
*どのようにですか? S:今回はVANISHING POINTの初来日なんだけど、みんながとても歓迎してくれて感激だったね。人々も、文化も、演奏した各会場も、本当に…ただただ、素晴らしかったんだ。日本が大好きだよ。
C:初日が広島で、翌日が大阪、名古屋、富士(静岡)と来て、今日が最終の東京なんだけど、シルヴィオが言ったように、素晴らしい初来日公演ができてとても嬉しく思ってる。

*バンドにとっては本当に待望の日本ツアーだったと思います。実際に日本に来てライブをしていかがですか? C:全てが叶ったな、と思っているよ。長年待ち望んでいたからね。バンドにとって、貴重な経験になったよ。個人的には人間という種族にとって、日本という美しい国に来ることはとても重要な事だと思う。俺は日本に住む人達を心底尊敬しているんだ。礼儀正しく、全てが清潔で、整理整頓が行き届いている。俺の故郷、オーストラリアはもっと日本を見習うべきだと思うんだよね。豊かな国である理由がよくわかる。人々がどのようにコミュニケーションして、どのようにみんなが働いていて、どのように食べ物が出て来るか。全部きっちりしているんだよね。完璧だよ。

Pic: Michele Marcolin


S:俺にとっては、そうだなあ…。俺たちはオーストラリアで育ったわけだけど、日本でもオーストラリアでも、様々な音楽が入り乱れているんだよね。西洋音楽は人気があるんだな、と感じていたものの、今回、俺は日本人という人種を初めて知って、すごく驚いているんだよ。こんなに日本で西洋の、ヘヴィ・メタルという音楽が受け入れられていると思っていなかったから。VANISHING POINTは20周年を迎えるんだが、ヨーロッパでも日本でも、もっとセールスを伸ばしていきたいね。正直、このニーズに驚いているんだよ。日本のファンは本当に熱心だし、ミュージシャンも真剣に音楽を愛していると感じたよ。これが俺にとっての日本への特別な思いかな?

Pic: Michele Marcolin


*今回の来日前にドラマーの交代がありました。それについておしえて頂けますか?新ドラマーのジョーダンは正式メンバーですか? S:ジョーダンは、今回のツアーではサポート・メンバーなんだ。クリスチャン(前任ドラマー)は個人的な事情で日本に来られなくなってしまったんだよ。クリスチャンも俺たちも、一緒に日本に来ることを願っていたけど、不運にも叶わなくなってしまった。でも、ジョーダンの手助けがあってツアーが叶ったことに、とても感謝している。すごくいいドラマーだよ。彼が正式メンバーになるかどうかは、まだわからないけどね。
C:シルヴィオと俺はバンドのオリジナル・メンバーなんだけど、過去に俺たちは数々のメンバーを失ってきた訳で、ジョーダンについては試用中、という感じかな。でもこれはかなり大きなテストだよ。国外にいきなり連れ出しているんだからね。まだオーストラリアで一緒にショーをしていない状態で、だから。ほとんどのミュージシャンは、いきなり国外でツアーをやると言われたらビビるんじゃないかな?でもジョーダンは、「大丈夫だよ!」と答えたんだよね。
*頼もしいですね! C:全くだよ。クリスチャンは本当に日本に来たがっていたし、俺もシルヴィオも、他のメンバーも、交代劇なしで来日できたなら良かったのかもしれないが、VANISHING POINTが歩み続けていく上ではどうしようもない出来事だったのさ。どうしてこんなに長くバンドを続けていられるかって、俺の個人的な見解だけど、情熱との向き合い方じゃないかな、と。バンドなんてストレスだらけの環境だよ。でも、情熱さえあれば、ネガティヴな感情も100%前向きな感情に変えられるんだよね。時にはネガティヴな感情も必要なんだけど。
S:変化の時、だよね。
C:そうだなあ、今こそ変わる時、だな。俺たちは前進しなくてはいけない。

Pic: Michele Marcolin


*セットリストについておしえて下さい。新作のツアーではありますが、新作からの曲は少なく思います。このバランスについておしえて下さい。 C:今回は長年活動してきた上での初来日だから、意識して昔のアルバムからも曲を決めたんだ。初期の曲、往年の曲がオーディエンスによって息吹を与えられるのを感じたよ。もし、ショウの予習としてバンドの曲を聴いていない人がいたとしても、俺たちはステージに上がるし、ただ「楽しもうぜ!」とオーディエンスに訴え、相互にエネルギーを交換し合いたいと思っているよ。先日までのショウで、ファンは俺たちに応えてくれた、楽しんでくれたととても感じたよ。そう、楽しんでくれた…ってね。だって、俺たちは堅苦しい雰囲気でもないし、厳めしいわけでもない。俺たちはみんな笑顔だから、ファンも笑顔で俺たちに応えてくれるんだろうな。初期の曲については、昔から俺たちを応援してくれているファンへの感謝の気持ちとして選んだんだ。

*今回のツアーは日本のバンドがサポートしています。気になったバンドはありましたか? S:今回のツアーでは沢山の日本のバンドを知る機会に恵まれたんだけど、移動時間などが重なって全てのバンドは観られなかったんだ。その中でも、最も印象に残ったのは大阪で観たCRYING MACHINEだね。彼らは凄いバンドだよ!

Pic: Michele Marcolin


C:名古屋のARGUMENT SOULも素晴らしいバンドだった。強烈に格好良かったね!そして俺は、バンドというものをアートとして観る傾向があるんだけど、そういった点では東京のANCIENT MYTHも世界観や音楽性にとても魅かれるものがあったよ。

*7年振りのニューアルバム 『DISTANT IS THE SUN 』がリリースされてからしばらく経ちましたが、ファンや、メディアの反響はいかがですか? S:とても良いね!何より、7年もアルバムを出していなかったのに、みんなが俺たちのことを忘れていなかったことに驚いたよ。このアルバムがシーンへの復帰作になって本当に良かったと思うんだ。良いレビューがたくさん届き、たくさんの人がこのアルバムが大好きだと言ってくれて、次作はより良いものにしようというモチベーションが湧いた。とても長い間沈黙していたし、数々のメンバー交代劇があったけど、俺は音楽を続け、アルバムをリリースしたことに対して「良かった」と思う。自分達が創った音楽を愛してくれる人々が居ることに感謝しているよ。7年越しの感謝だね。…次はまたもう少し時間がかかるかもしれないけど。(笑)
C:もう準備に取りかかっているぞ!(笑)
S:ごめんごめん。(笑)そう、もう新作のデモ作りは進んでいるんだよ。
*ということは…次作のリリースは来年ですね!? S:そんな馬鹿な。(笑)できるだけ早く出したいけどね。
C:素材を揃えるのに数年かかったりするからね。俺もシルヴィオも、今作が5年や7年くらいかかるというのは了承の上、進めてきたんだ。次のアルバムはできれば数年以内にリリースをしたいけれども、作業を急ぎ、詰め込みすぎてしまうと、メンバーの家族や仕事に支障が出てしまう。ラッキーなことに、俺は自宅内に自分用のスタジオがあるから、子供や妻が寝た後にそこで作業を進めていくことができるんだ。ちょっとだけ次作についてコメントをすると…滅茶苦茶いいよ。期待しててほしい。

*新作に伴うライブはどれくらい行いましたか? C:そうだね、今回の来日公演を含めると40〜50公演くらいこなしたんじゃないかな?ほとんどがオーストラリア国内でのショウだったけど、ニュージーランドでも演ったんだ。このニュージーランドが、映画「ロード・オブ・ザ・リング」のロケ地にもなった場所だけに素晴らしかったよ。ハードスケジュールだったにも関わらず、シルヴィオにとっては、プレイしたことがない土地でショウをするということがとても重要だったようだよ。俺にとっては、日本でプレイするということが最重要だった。知り合いもいなければ踏み入れた事もない、未開の地だけど、チャンスがある国だと信じているから。このアルバムで、日本に駒を進めなくちゃと思っていたんだ。リリース直後の1、2ヶ月は毎週のようにメルボルンでショウをしたけど、そこで感じたのは、オーストラリアには他にももっと良い地元バンドも居るし、国際的なバンドも居て、彼らも毎週のようにショウをしていたんだよね…つまり、賢くブッキングをしなくちゃ、埋もれてしまうってこと。
今回の来日にあたり、スタッフのマルやシュウジら、日本で支えてくれる人達と一丸のチームになって、自分のツアーを組み立てることができたことは、本当に幸せだと思っているんだ。

*バンドのメンバーの音楽的嗜好をそれぞれおしえてもらえますか? S:俺の音楽的背景の中で一番影響があったのは、父親だね。俺の両親はイタリア人で、家の中ではしょっちゅうオペラやイタリアの音楽が流れていたんだ。俺の成長過程で影響が強かったのは、ルチアーノ・パヴァロッティ(世界三大テノールの一人)かな。家の中でずっと歌っていたなあ。時が経つにつれ、ロックやメタルに出会い、バンドを始めるようになったんだ。IRON MAIDENやWHITESNAKE、そしてオールディーズの偉大な歌手たちが俺に影響を与えてくれたよ。

Pic: Michele Marcolin


C:俺の音楽的背景も、家族にあるな。俺の母方の祖父はクラシック・ピアノを弾く人だったんだけど、譜面を必要としない人だったんだよ。いつでも、耳で楽譜を拾っていた。聴いたものを弾くことができる人だったんだよね。天才だよ。もう一つ、家族繋がりの背景と言えば、俺はポーランドにルーツがあるということ。俺の(母方の)祖父は第二次世界大戦中、大部隊に配属されていたから、祖父はいつも軍歌を歌っていたそうだよ。俺の父方の祖母は、町のシアターで歌っていた人だった。彼女はたくさんのフォーク・ソングを知っていたし、聴かせてくれたよ。俺がまだオーストラリアに移住する前、ポーランドを出国する数年前に、SCORPIONSが『Blackout』という名盤を出したことを、従兄弟が教えてくれたんだ。それで、メタルにハマった。
S:まだまだ話が続くぞ、これは(笑)。
C:『Blackout』は俺にとって永遠の名盤。ポーランドという国に住んでいた少年が、従兄弟の手によって、メタルに引きずり込まれたそのものだからね。『Blackout』は今でもよく聴くよ、あの頃を思い起こさせてくれるんだ。俺の父は未だに熱心なリスナーで、PINK FLOYDなんかをよく聴いているんだけど、彼はいつも俺に「この色が聴こえるか?」と尋ねてくるんだ。俺の父はミュージシャンではないけれど、理論を必要としないエンジニアなんだと思う。例えば、俺が家で何かの曲をかけるとするだろう?すると、彼はソファに座って「うん、良いんじゃないかな。でもこのパートはちょっと煩いかもしれないから、何か他のことをやってみてはどうだい」とアドバイスをしてくれるんだよ。彼は良き牧師のようだね。

Pic: Naomi Okabe


*他のメンバーの音楽的背景について、ご存知のことはありますか? C:サイモンはDREAM THATERに影響を受けているね。ジェイムスは大のプログレッシヴ音楽ファンで、DREAM THATER、TOOLも大好きだけど、日本のジャズ・フュージョンも大好きみたいだ。ジョーダンは、TOOLや、デス/スラッシュ・メタルからの影響が大きいらしい。地元オーストラリアのKARNIVOOLのグルーヴ感やヘヴィネスについてもよく賛辞しているね。でも、俺たちはみんな、良い曲はなんでも好きだよ。俺とシルヴィオは特に、どんな音楽だろうと、良いメロディーがあって、心を捉えるものがある曲は素晴らしいと思っているんだ。君がもし、何か曲を聴くとするだろう?そして少し歩いた後、そのメロディーを覚えていれば、その曲は良い曲なんだ。曲にとって大事なのは、感嘆するようなテクニックでも、高速ツーバスでも、いかに重たいかでもなく…「歌えること」こそなんだと感じているよ。

*クリスとシルビオは一番古いメンバーですが、バンドはここまで多くのメンバー・チェンジがありました。そのあたり苦労があったと思いますが、いかがですか? C:沢山乗り越えてきたね。全てのバンドがそうだと思うけど、バンドの歴史は複雑で、切れ切れだったり、突然終わったり、ジグザグだったりするわけだよ。ほとんどのミュージシャンが、個人的な理由で現役から離れて行く。
S:個人的なといっても、全然特殊なことじゃなくて、ごく一般的なことだね。例えば家族や婚姻の事情とか。俺も、他のメンバーも、もしかすると他のミュージシャンも、かつては音楽が一番大事だった。でも、結婚して家族が増えたら、子供が一番の座を奪ってしまうのさ。俺にとっては…音楽は、今は二番目に大事のものだよ。家族と音楽、両方を大事にできる人もいると思うけど、音楽を生活の中心から外し、家族を優先する人だって居る。
*優先順位の問題、という感じでしょうか? C:優先順位か…そうだね、シルヴィオはラッキーなことに、ずっと

Pic: Naomi Okabe


Vanishing Pointのメンバーて居てくれている。長年の間に、俺に事情があった時もあるし、彼に事情があった時もあったわけだが、長く連れ添った分お互いに理解ができているんだ。数年前は「シルヴィオ、ちょっとデモができたんだけど、明日レコーディングに来られないか?」「もちろん!」というやり取りが可能だった時期もあるけど、今は同じメルボルンの中でも、違う町に住んでいるからそういうことはできないが、問題ない。他のメンバーも、結婚した人も居れば亡くなった人も居る。様々だよ。俺のケースを話すと、俺は自分のクリエイテヴィティに沿った活動ができてとても幸せなんだ。とってもラッキーなことに、俺の妻はとてもバンドに協力的だしね。2007年に、DRAGON FORCEのサポート・アクトとしてオーストラリアを回って、10日くらい家を空けたんだけど、ツアーが終わった三日後に妻は双子を出産して。その翌年、妻はVANISHING POINTの6週ほどに渡るヨーロッパ・ツアーに俺を笑顔で送り出したんだ。信じられないだろう?双子の出産、育児はただでさえ大変だろうにね。 *女神のような奥様ですね…! C:全くだよ。彼女ほど理解と協力をしてくれる妻に巡り会えて、俺は本当に恵まれているよ!おまけに、彼女は空手もやっているんだ。もし喧嘩でもしようものなら、こてんぱんにされてしまうよ(笑)。だから絶対に逆らわない(笑)。

*自国であるオーストラリアのメタルシーンについてはどんな感想をお持ちですか? S:オーストラリアのメタルシーンは良好だと思うよ。「オーストラリア」らしさという部分については、もっと明確にしていけたらもっと道が開けそうだけどね。今は良質なメタル・バンドが沢山いるけど、10年前はオーストラリアのメタル・バンドと言えば4、5バンドくらいしか挙げられなかった。でも今は20、30ほどの良いバンドがシーンに居ると感じているよ。年々シーンは育って来ている。確実にね。
C:アンダーグラウンドで活動している、インディーズのバンドも増えたよね。今やVANISHING POINTはアンダーグラウンドではベテランの域になっているようだし。メロディック、シンフォニック、プログレッシヴ界隈ではBLACK MAJESTYLORDDUNGEONも大ベテランだね。そしてパース出身のVOYAGERも素晴らしいバンドだよ。興味深いことに、オーストラリアでは、デス・メタル・バンド界隈の人口はメロディック・メタル界隈の人口よりもずっと多いんだ。1対20くらいの勢いかもしれない。デス・メタル・バンドも良質なバンドが揃っていて、テクニックも素晴らしいバンドが沢山いる。最も有名なのは、タスマニア島出身のPSYCROPTICで、Nuclear Blastと契約をしているから、ヨーロッパでも有名だね。俺たちと同じくメルボルン出身だと、KING PARROTも成功しているデス・メタル・バンドだな、特にアメリカで人気があるね。彼らも陽気ないい奴らなんだけど、彼らのミュージック・ビデオはオーストラリア文化を象徴した作品なんだよ!このオーストラリア人なんたるかを巧く使った戦略は、素晴らしいね。少し話が変わるようだけど、現代はインターネットやレコーディング技術の発達で、作業スピードは格段に速くなったし、より世界に広めることができるようになった。ただ、費やした時間とお金が戻りにくくなってきた。かつては時間とお金をかけた分は、戻ってきたもんだよ。でも今はどうだろう、ただお金と時間を費やすだけだ。俺は本当に音楽を愛しているから、この損失にがっかりしているんだよ。今は作曲なんて簡単にできてしまう。若者の方がテクノロジーを操るスキルはあるけど、だから何だって言うんだ?テクノロジーはバンドの本質じゃない。俺はオーストラリアからもっと素晴らしいバンドが生まれてくると信じているし、日本のLOUDPARKに出演するようなバンドだってきっと出て来るよ。俺たちも出演する気満々だけどね。(笑)

Pic: Michele Marcolin


*日本ツアー後の予定はいかがですか? C:日本を発って、数日のオフの後、メルボルンのフェス、Sonic Forgeにヘッド・ライナーとして出演するよ。このフェスには様々なスタイルのメタル・バンドが、全部で30くらい出演するんだ。そのフェスの後、シルヴィオは数ヶ月のオフに入るんだけど、俺はその間に新作の作業を進める予定。
S:クリスはVANISHING POINTのメイン・ソング・ライターだからね。『DISTANT IS THE SUN』もほとんどが彼の曲だし、彼はオーケストレーション(オーケストラが奏でるシンフォニックな部分の音の構成)も担当しているしね。シンフォニック・アレンジに関しては全部クリスだよ。
C:シルヴィオはよく知っているんだけど、俺たちは五線譜ではやり取りしないんだよね。
S:読めないよ。(笑)
C:オーケストラ部分のメロディーが思い浮かんだら音のデータにしてやり取りするんだ。ギターを弾くわけでも、ピアノを弾くわけでもなく、ただマウスをクリックするだけで音を作っているよ。みんなが「どうやってあのシンフォニック・アレンジをやったの?」って尋ねるけど、俺はただ「4万回マウスをクリックしたんだ」と答えているよ。(笑)よりダイナミックなアレンジを望むなら外部に出すこともあるだろうし、ただの自己満足のように思われるかもしれないけど、俺はこのやり方を望んでやっている。もし誰かに「このピアノ・フレーズを弾いてみせて」と言われたら、俺はただPCデスクの前に座って、「よし、いいよ」と言いながらマウスをクリックするよ。冗談だろ?って言われるんだろうけど。
S:クリスの頭の中がどうなっているのか、未だにわからないんだよね…(笑)
C:俺は寝る前に、後頭部にマイクロチップを埋め込んでおいて、「録音ボタン」を押しておくんだよ。そうすると、翌朝には完成したデータが納品されているんだ。(笑)だから俺の思考回路は四六時中、動き回っている。演奏をするということが、ポジティヴな解放になっているんだよね。
*ずっと音楽のことを考えていて、夜眠れなかったりしませんか? C:夜はすっごく眠れるよ。ただ、起きている間は音楽のことをずっと考えているけどね。そうだ、面白いことに、大体の人は夜寝ている間に夢を見て、それを覚えているだろう?俺はそれが全くないんだよね。夢のことを一切覚えていないんだ。完全に電池切れって感じで寝ているよ。恐らく、俺のメモリー容量は夢を記憶しておけるほどの空き容量がないってことなんだろうね。(笑)俺の夢を覚えておける空き容量が100MBだとしたら、シルヴィオは1TBくらい空き容量あるんじゃないかな。(笑)(一同爆笑)

Pic: Michele Marcolin


*日本のファンにメッセージをお願いします。 S:ただただ、全ての人に感謝しているよ。来日する手助けをしてくれた人達、待ってくれていたオーディエンスのみんな…長年待ち望んでいた来日を、みんなと一緒に叶えられたことを有り難く思っているんだ。皆、ショウでは素晴らしいレスポンスをくれるし、お互いに楽しめている実感があるよ。こんなに良いレスポンスを貰えるなんて信じられないくらいだよ。また必ず戻ってくるからね。
C:日本のファンのみんな、そしてVANISHING POINTの音楽を見つけてくれたみんな、本当にありがとう。このような機会を、こんなに美しい国で得る事ができて本当に幸せだよ。日本のファンにも、日本でサポートしてくれている人達にも、心から感謝を捧げたい。今回このような形で日本に来られた事は、俺の人生にとって非常に意味がある。俺たちは日本文化とオーストラリア文化の橋渡しになれるよう、音楽をずっと続け、また日本に戻ってるよ。アリガトウ!カンパイ!俺たちが日本語でFacebookに投稿したり、MCで話すのはスマートじゃないって意見もあるけど、俺たちは言葉にして日本への敬意を表したいんだよ。また日本に来る時には、もっと日本の伝統や文化を学んでから来ようと思っているほどさ。ドウモアリガト
ウ!

インタビューアー:Michal(ANCIENT MYTH)